2011年05月31日

先日の日本経済政策学会

日本経済政策学会で、東日本大震災がテーマに取り上げられると知り、出かけました。
実はプログラムを見て、先に行われる午後の自由論題セッションで、片岡剛士さんが「マクロ計量モデルを用いた、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の出生率への効果測定」というお話をされるとばかり思い込んで、そういうご研究もされているのだとそちらも楽しみにしていたのですが、片岡さんは報告者ではなく、討論者であることを、会場に着いてから知りました。
しかし、したがって偶然、聞くことのできたこの報告は、「人的資本形成と教育政策及び経済発展」とあわせて、数式のわからない私にも、雨の中、出てきてほんとうに幸運だったと思える内容のものでした。
「マクロ計量モデルを用いた…」のほうは、保育所の定員数増加と出生率との相関関係を計量化する試み、「人的資本形成…」のほうは、教育政策と経済発展の関係を計量化する試みといっていいのでしょうか。
個人的には、いわゆる少子化対策が直接的に出生率の増加に結びつくことはあまりないのではないかと思っているのですが、それでも少子化対策は取り組まれるのがよいと思っている根拠として、これまで、それが社会の成熟というようなことばでしか語りえなかったのが、こうした研究を統合すると、例えば、子どもを預ける場所を確保できることによって、働くことができるようになった女性が、子どもを増やすことはなくても、子どもの教育費(あるいは自分自身の教養費)としての支出を増やすことによる経済効果というようなことをいえるようになるのではないかなど、ぼんやり考えてしまいました。
ただ、この日の、「東日本大震災」特別セッションや、招待講演「大震災と経済政策」の議論とも絡むのですが、こうした出産・子育て世代への社会保障や支援プログラムは、日本の景気がよくならなければ、現状維持さえむずかしいということになるのだと思います。
その意味でも、今、経済復興のための思い切った決断が望まれるところなのだと思いますが、この会場での議論から、すぐに何かが動き出すというような雰囲気ではなかったのが気になりました。
posted by wada at 06:21 | TrackBack(0) | 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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